地球温暖化対策や持続可能な社会の実現に向け、建築物に対して年々高まっているのが環境への配慮です。
CO2排出量削減、資源の有効活用、周辺環境との調和など、環境に配慮した建築物の建設は、今や単なる理念ではなく、法規制や省エネ基準によって求められる必須要件となっています。
各自治体でも条例や要綱の制定を通じて、環境配慮型の建築物を推進する動きが広がっています。特に大都市を中心に、一定規模以上の建築物に対して環境性能の評価と報告を義務付ける制度が次々と導入されています。
そうした中で建築物の環境性能を客観的かつ総合的に評価するツールとして注目されているのが「CASBEE自治体版」です。
ここでは、CASBEE自治体版について、その概要から申請の流れ、全国の導入状況、2025年に施行された建築物省エネ法改正との関連まで、実務に役立つ情報を解説していきます。
CO2排出量削減、資源の有効活用、周辺環境との調和など、環境に配慮した建築物の建設は、今や単なる理念ではなく、法規制や省エネ基準によって求められる必須要件となっています。
各自治体でも条例や要綱の制定を通じて、環境配慮型の建築物を推進する動きが広がっています。特に大都市を中心に、一定規模以上の建築物に対して環境性能の評価と報告を義務付ける制度が次々と導入されています。
そうした中で建築物の環境性能を客観的かつ総合的に評価するツールとして注目されているのが「CASBEE自治体版」です。
ここでは、CASBEE自治体版について、その概要から申請の流れ、全国の導入状況、2025年に施行された建築物省エネ法改正との関連まで、実務に役立つ情報を解説していきます。
CASBEE自治体版とは?
CASBEE自治体版とは?
CASBEE自治体版とは?
CASBEE自治体版とは?
CASBEE自治体版とは、国土交通省が主導する「CASBEE(建築物総合環境性能評価システム)」を、各自治体が地域の特性や環境政策に応じて独自に発展させた評価システムです。
2004年の名古屋市の導入以降、政令指定都市を中心に20以上の自治体で導入されています。導入が進む背景には、建築主や不動産業者に対して、様々な環境課題への自主的配慮を促す目的があります。
自治体版が必要とされるのは、地域によって優先すべき環境課題が異なるためです。
例えば、自然保護区の周辺では周囲の生態系保全が最優先事項です。都市中心部では熱環境の改善が急務となり、都市開発が進んだ地域では緑被率の回復が求められます。
そのため、各自治体は地域特有の環境問題に対して独自の評価基準や重み付けをして、CASBEEを地域の環境政策実現のための効果的なツールとして活用しています。
2004年の名古屋市の導入以降、政令指定都市を中心に20以上の自治体で導入されています。導入が進む背景には、建築主や不動産業者に対して、様々な環境課題への自主的配慮を促す目的があります。
自治体版が必要とされるのは、地域によって優先すべき環境課題が異なるためです。
例えば、自然保護区の周辺では周囲の生態系保全が最優先事項です。都市中心部では熱環境の改善が急務となり、都市開発が進んだ地域では緑被率の回復が求められます。
そのため、各自治体は地域特有の環境問題に対して独自の評価基準や重み付けをして、CASBEEを地域の環境政策実現のための効果的なツールとして活用しています。
― CASBEEファミリーにおける自治体版の位置づけ
― CASBEEファミリーにおける
自治体版の位置づけ
まず基本として、CASBEEは国土交通省の指導のもと、一般財団法人建築環境・省エネルギー機構(IBEC)が開発・普及を進めている、日本独自の建築物の環境性能を評価するシステムです。
2001年4月に産官学共同プロジェクトとして立ち上げられ、建築物の環境性能を客観的に評価・格付けする手法として確立されました。
CASBEEでは、建築物の品質を「Q(Quality:環境品質)」と「L(Load:環境負荷)」の2つの側面から総合的に評価します。単なる省エネルギー性能だけでなく、環境負荷の少ない設備機器の使用、室内の快適性、景観への配慮など、建築物の環境性能を幅広い観点から包括的に判断する仕組みです。
CASBEEには、建築物の種類や規模、用途に応じて複数の評価ツールが存在しますが、総称して「CASBEEファミリー」と呼んでいます。
2001年4月に産官学共同プロジェクトとして立ち上げられ、建築物の環境性能を客観的に評価・格付けする手法として確立されました。
CASBEEでは、建築物の品質を「Q(Quality:環境品質)」と「L(Load:環境負荷)」の2つの側面から総合的に評価します。単なる省エネルギー性能だけでなく、環境負荷の少ない設備機器の使用、室内の快適性、景観への配慮など、建築物の環境性能を幅広い観点から包括的に判断する仕組みです。
CASBEEには、建築物の種類や規模、用途に応じて複数の評価ツールが存在しますが、総称して「CASBEEファミリー」と呼んでいます。
CASBEEファミリーの中で、各自治体の条例や要綱に基づき、地域の実情に合わせてカスタマイズされたものが「CASBEE自治体版」です。
基本となる評価項目はCASBEEの枠組みを踏襲しつつ、地域の気候・風土、エネルギー事情、景観への配慮など、自治体ごとの重点施策が反映されています。そのため、全国一律の評価基準では捉えきれない、地域に根差したよりきめ細やかな環境性能評価が可能となり、自治体の環境施策推進ツールとして活用されています。
基本となる評価項目はCASBEEの枠組みを踏襲しつつ、地域の気候・風土、エネルギー事情、景観への配慮など、自治体ごとの重点施策が反映されています。そのため、全国一律の評価基準では捉えきれない、地域に根差したよりきめ細やかな環境性能評価が可能となり、自治体の環境施策推進ツールとして活用されています。
― 自治体がCASBEEを義務化・届出制度化している背景
― 自治体がCASBEEを義務化・
届出制度化している背景
CASBEEには第三者機関による任意の評価認証制度があるのに対し、CASBEE自治体版は多くの場合、条例に基づいた義務的な制度として運用されています。
自治体がCASBEEの届出を義務化する主な目的は、以下の通りです。
自治体がCASBEEの届出を義務化する主な目的は、以下の通りです。
- 地域の環境政策の確実な実現
- 地球温暖化対策の推進
- 持続可能なまちづくりの促進
- 地域特性への効果的な対応
- 環境意識の向上
上記の目的から判断できることは、CASBEE自治体版が単なる建築物の環境性能評価ツールではなく、地域の環境政策と建築行政を結びつける重要な役割として位置づけられているということです。
建築物は数十年にわたって使用され、その間のエネルギー消費や環境負荷が地域全体の環境に大きく影響します。そのため、建築確認申請や工事着工前の計画段階から環境性能の評価と対策を求めることで、地域全体の環境を長期的に改善する可能性が高くなるのです。
特に大規模建築物は環境への影響が大きいため、多くの自治体では一定規模(多くの場合2,000㎡超)以上の建築物に対して、建築確認申請や着工の条件としてCASBEE評価を位置づけることで、確実な環境性能向上を担保しています。
このような制度設計により、建築主や設計者はプロジェクトの初期段階からCASBEE自治体版に定められた地域の環境基準や評価項目を考慮した計画立案が求められることになります。
建築物は数十年にわたって使用され、その間のエネルギー消費や環境負荷が地域全体の環境に大きく影響します。そのため、建築確認申請や工事着工前の計画段階から環境性能の評価と対策を求めることで、地域全体の環境を長期的に改善する可能性が高くなるのです。
特に大規模建築物は環境への影響が大きいため、多くの自治体では一定規模(多くの場合2,000㎡超)以上の建築物に対して、建築確認申請や着工の条件としてCASBEE評価を位置づけることで、確実な環境性能向上を担保しています。
このような制度設計により、建築主や設計者はプロジェクトの初期段階からCASBEE自治体版に定められた地域の環境基準や評価項目を考慮した計画立案が求められることになります。
― CASBEE評価認証と自治体版CASBEEの違い
― CASBEE評価認証と
自治体版CASBEEの違い
CASBEEには、第三者機関が建築物の環境性能を評価し認証する「CASBEE評価認証」と、自治体が条例や要綱に基づいて独自に運用する「CASBEE自治体版」の2つがあります。
CASBEE評価認証は、全国共通の評価基準に基づいて、建築物の環境性能を客観的に評価し、その結果をランク付けして公表する制度です。建物の環境性能をアピールし、価値向上や差別化、環境配慮への取り組みを示す手段として活用されます。評価は任意であり、事業者の判断に委ねられます。
一方、CASBEE自治体版は、各自治体が定める条例や要綱に基づき、特定の規模や用途の建築物に対して、環境性能に関する計画書の提出(届出)を義務付けるものです。自治体の環境政策目標達成を目的とした規制的な側面を持つ点が、任意の評価認証制度とは大きく異なります。
また、評価項目や基準も、CASBEE評価認証の枠組みをベースとしつつも、自治体の地域特性や行政の重点施策に合わせて調整されています。したがって、CASBEE評価認証で高い評価を得た建築物が、必ずしも自治体版CASBEEの基準を満たすとは限りませんし、その逆も同様です。
このように、CASBEE評価認証が建築物の環境性能を客観的に示し、市場での評価を高めるための任意のツールであるのに対し、CASBEE自治体版は地域の環境政策目標達成に向けた行政指導や規制、誘導のための義務的な政策ツールであり、制度の目的、強制力、運用の仕組みが異なります。
したがって、自治体内で建築計画を進める際には、当該自治体のCASBEE自治体版の制度内容(対象、手続き、評価基準の差異、誘導策など)を正確に把握することが極めて重要です。
CASBEE評価認証は、全国共通の評価基準に基づいて、建築物の環境性能を客観的に評価し、その結果をランク付けして公表する制度です。建物の環境性能をアピールし、価値向上や差別化、環境配慮への取り組みを示す手段として活用されます。評価は任意であり、事業者の判断に委ねられます。
一方、CASBEE自治体版は、各自治体が定める条例や要綱に基づき、特定の規模や用途の建築物に対して、環境性能に関する計画書の提出(届出)を義務付けるものです。自治体の環境政策目標達成を目的とした規制的な側面を持つ点が、任意の評価認証制度とは大きく異なります。
また、評価項目や基準も、CASBEE評価認証の枠組みをベースとしつつも、自治体の地域特性や行政の重点施策に合わせて調整されています。したがって、CASBEE評価認証で高い評価を得た建築物が、必ずしも自治体版CASBEEの基準を満たすとは限りませんし、その逆も同様です。
このように、CASBEE評価認証が建築物の環境性能を客観的に示し、市場での評価を高めるための任意のツールであるのに対し、CASBEE自治体版は地域の環境政策目標達成に向けた行政指導や規制、誘導のための義務的な政策ツールであり、制度の目的、強制力、運用の仕組みが異なります。
したがって、自治体内で建築計画を進める際には、当該自治体のCASBEE自治体版の制度内容(対象、手続き、評価基準の差異、誘導策など)を正確に把握することが極めて重要です。
自治体版CASBEEの評価基準
自治体版CASBEEの評価基準
自治体版CASBEEの評価基準
自治体版CASBEEの
評価基準
評価基準
CASBEE自治体版では、各地域の特性や環境政策に基づいて、自治体がどのように独自の基準を設定しているのか確認していきましょう。
― 自治体の定める条例などの基準で決定する
― 自治体の定める条例などの
基準で決定する
例えば札幌市では「CASBEE札幌」という独自の評価システムが導入されています。この制度はCASBEEを基盤としながらも、札幌市の地域特性を反映した独自の評価基準を設けています。
特に注目すべきは、「省エネルギー」「省資源」「緑化」「雪処理」の4つが重点項目として位置づけられていることです。評価項目は、札幌の積雪寒冷地という気候条件や環境政策を反映しており、寒冷地特有の断熱性能への要求や、積雪対策としての雪処理方法の評価が通常のCASBEE評価に追加されています。
評価結果においても通常のCASBEE結果に加え、4つの重点項目についてそれぞれ星5つを満点とする評価が行われ「重点項目評価シート」として公表されます。
このように寒冷な地域では断熱性能の向上がより重要な評価ポイントとなることがあります。
また、地域の再生可能エネルギー導入目標に合わせて、太陽光発電設備の設置が評価される場合や、地域産の木材利用が推奨される場合もあります。
したがって、CASBEE自治体版への対応を検討する際には、必ず当該自治体の最新の条例や要綱を確認し、どのような評価項目があり、どのような基準が求められているのかを正確に把握することが不可欠です。
特に注目すべきは、「省エネルギー」「省資源」「緑化」「雪処理」の4つが重点項目として位置づけられていることです。評価項目は、札幌の積雪寒冷地という気候条件や環境政策を反映しており、寒冷地特有の断熱性能への要求や、積雪対策としての雪処理方法の評価が通常のCASBEE評価に追加されています。
評価結果においても通常のCASBEE結果に加え、4つの重点項目についてそれぞれ星5つを満点とする評価が行われ「重点項目評価シート」として公表されます。
このように寒冷な地域では断熱性能の向上がより重要な評価ポイントとなることがあります。
また、地域の再生可能エネルギー導入目標に合わせて、太陽光発電設備の設置が評価される場合や、地域産の木材利用が推奨される場合もあります。
したがって、CASBEE自治体版への対応を検討する際には、必ず当該自治体の最新の条例や要綱を確認し、どのような評価項目があり、どのような基準が求められているのかを正確に把握することが不可欠です。
― 対象の建築物も自治体によって異なる
― 対象の建築物も
自治体によって異なる
CASBEE自治体版の届出が必要な建築物は、自治体ごとに大きく異なります。
例えば、多くの自治体では延べ床面積2,000㎡超の建築物を対象としていますが、札幌市では300㎡以上の小規模建築物であれば届出の対象になります。一方、福岡市では5,000㎡超の大規模建築物のみを対象としています。
また、対象の建築物は、環境政策の変化により対象範囲が変わることがあります。例えば横浜市や川崎市では、5,000㎡超の建築物のみが対象でしたが、後に2,000㎡以上に引き下げられました。これは環境配慮の必要性への認識が高まったことを示しています。
届出が必要な建築物は、地域や時期によっても条件が異なるため、建築計画の初期段階で該当自治体の最新の条例を確認し、届出義務の有無を正確に判断することが重要です。
判断を誤ると建築確認申請に影響する可能性があるため、不明な場合は自治体の担当部署に早めに相談することをおすすめします。
例えば、多くの自治体では延べ床面積2,000㎡超の建築物を対象としていますが、札幌市では300㎡以上の小規模建築物であれば届出の対象になります。一方、福岡市では5,000㎡超の大規模建築物のみを対象としています。
また、対象の建築物は、環境政策の変化により対象範囲が変わることがあります。例えば横浜市や川崎市では、5,000㎡超の建築物のみが対象でしたが、後に2,000㎡以上に引き下げられました。これは環境配慮の必要性への認識が高まったことを示しています。
届出が必要な建築物は、地域や時期によっても条件が異なるため、建築計画の初期段階で該当自治体の最新の条例を確認し、届出義務の有無を正確に判断することが重要です。
判断を誤ると建築確認申請に影響する可能性があるため、不明な場合は自治体の担当部署に早めに相談することをおすすめします。
【自治体別】導入状況・届出義務一覧
【自治体別】
導入状況・届出義務一覧
【自治体別】導入状況・届出義務一覧
【自治体別】導入状況・
届出義務一覧
届出義務一覧
CASBEE自治体版を導入している自治体は、以下のとおりです。
| 自治体名 | 施行日 | |
|---|---|---|
| 名古屋市 | 2004/4 | Sランク(素晴らしい)評価建築物の紹介 |
| 大阪市 | 2004/10 | 建築物環境計画書の公表 |
| 横浜市 | 2005/7 | 建築物環境配慮計画の概要の公表 横浜市 |
| 京都市 | 2005/10 | 京都市:建築物排出量削減計画書等の公表 |
| 京都府 | 2006/4 | 特定建築物排出量削減計画書等の公表/京都府ホームページ |
| 大阪府 | 2006/4 | 建築物環境計画書の公表(評価結果と表示ラベル) |
| 神戸市 | 2006/8 | CASBEE神戸の届出 |
| 川崎市 | 2006/10 | 計画書等の公表(CASBEE川崎) |
| 兵庫県 | 2006/10 | 兵庫県/建築物環境性能評価制度(CASBEE) |
| 静岡県 | 2007/7 | 静岡県建築物環境配慮制度(CASBEE静岡) |
| 福岡市 | 2007/10 | 福岡市 計画書の公表 |
| 札幌市 | 2007/11 | 建築物環境配慮制度(CASBEE札幌)計画書の公表 |
| 北九州市 | 2007/11 | 建築物総合環境性能評価制度(CASBEE) - 北九州市 |
| さいたま市 | 2009/4 | 建築物環境配慮計画などの公表について |
| 埼玉県 | 2009/10 | 埼玉県建築物環境配慮制度について - 埼玉県 |
| 愛知県 | 2009/10 | 愛知県建築物環境配慮計画書(CASBEEあいち)の公表 |
| 神奈川県 | 2010/4 | 建築物温暖化対策計画書制度-公表- - 神奈川県ホームページ |
| 千葉市 | 2010/4 | 千葉市建築物環境配慮制度(公表) |
| 鳥取県 | 2010/4 | 鳥取県建築物環境配慮計画制度 |
| 新潟市 | 2010/4 | CASBEE新潟届出物件一覧 |
| 広島市 | 2010/4 | 建築物 CASBEE広島評価マニュアル |
| 熊本県 | 2010/10 | 温暖化防止条例:建築物環境配慮計画書等の届出概要の公表:令和3年度(2021年度)の受付分 - 熊本県ホームページ |
| 柏市 | 2011/1 | 建築物環境配慮計画書の概要の公表 | 柏市 |
| 堺市 | 2011/8 | 令和3年度 CASBEE 届出公表一覧 堺市 |
上記の表に記載のある自治体では、CASBEE自治体版の届出が義務化されています。届出を提出せずに建築工事を着工することはできません。
届出の期限も決まっているため、指定の期日までに提出する必要があります。期限に遅れると建築確認申請が受理されなかったり、着工が延期されたりする可能性があるため、建築計画の初期段階から正確なスケジュールを立てておくことが重要です。
また、CASBEE自治体版の届出が任意になっている自治体であっても、高い評価を取得した建築物には、容積率の緩和措置、補助金の交付、低利融資の適用などの優遇措置が適用される場合があります。
優遇措置を活用できれば、建設コストの一部を相殺できるだけでなく、環境配慮型の建築物として市場価値や企業イメージの向上も期待できるため、建築計画の際に確認しておきましょう。
届出の期限も決まっているため、指定の期日までに提出する必要があります。期限に遅れると建築確認申請が受理されなかったり、着工が延期されたりする可能性があるため、建築計画の初期段階から正確なスケジュールを立てておくことが重要です。
また、CASBEE自治体版の届出が任意になっている自治体であっても、高い評価を取得した建築物には、容積率の緩和措置、補助金の交付、低利融資の適用などの優遇措置が適用される場合があります。
優遇措置を活用できれば、建設コストの一部を相殺できるだけでなく、環境配慮型の建築物として市場価値や企業イメージの向上も期待できるため、建築計画の際に確認しておきましょう。
― インセンティブを受けられる自治体
― インセンティブを
受けられる自治体
義務化には至っていないものの、CASBEEの任意提出を推奨し、一定の評価ランクを取得した建築物に対して容積率の緩和や補助金交付などのインセンティブを設けている自治体も存在します。
| 項目 | 自治体名 | 実施内容 |
|---|---|---|
| 総合設計制度等における容積率緩和の条件 | 名古屋市 | CASBEE名古屋の評価に応じて容積率緩和をさらに割増(通常200%までのところ、Sランクは上限250%まで緩和) |
| 埼玉県 | CASBEE埼玉県の重点項目得点に応じて、容積率緩和を最大20%更に割増。 | |
| (総合設計制度の許可要件として利用) B+ランク以上で許可:大阪市、福岡市、北九州市等 Aランク以上で許可:横浜市・さいたま市・千葉市・川崎市・堺市・柏市 等 |
||
| 助成制度の判断基準として利用 | 北九州市 | ・住むなら北九州 移住推進事業(定住促進支援メニュー)において、市外からの転入世帯の住宅購入・建設に対する助成(選択的要件として、CASBEEによる評価結果がB+以上) |
| 新潟市 | ・まちなか再生建築物等整備事業において、採択要件の一つとしてCASBEEの評価結果を活用(CASBEE新潟でAランク以上) | |
| 横浜市 | 横浜市ZEH推進事業の採択要件として活用(Aランク以上) | |
| 川崎市 | 創エネ・省エネ・蓄エネ機器導入補助事業における採択要件としてCASBEEの評価結果を活用(CASBEE-戸建(新築)でAランク以上となる住宅に追加補助) | |
| 長野県 | ・信州健康エコ住宅助成金制度において、助成額が加算される選択基準に採用(CASBEE-戸建(新築)でSランク) | |
| 見附市 | ・見附市住替え促進中古住宅取得補助制度における判断基準として採用(CASBEE-戸建(新築)の各項目で、市の設定するレベルを満たしていること) | |
| 顕彰制度の実施 | 大阪府・大阪市 | おおさか環境にやさしい建築賞 |
| 埼玉県 | 環境建築住宅賞(一般建築部門) | |
| 神奈川県 | かながわ地球温暖化対策大賞 | |
| 京都市 | 京(みやこ)環境配慮建築物 | |
| 神戸市 | 神戸市都市デザイン賞(地球にやさしいCASBEE建築部門) | |
| 静岡県 | くらし・環境部環境配慮建築物表彰制度 | |
| 柏市 | 柏市環境配慮建築物表彰制度 | |
| 堺市 | CASBEE堺建築環境賞 | |
| 自治体独自の認証制度 | 横浜市 | 横浜市への届出物件のうち希望者を対象(新築)に、横浜市独自の認証制度を実施(2016年8月現在、8物件) |
インセンティブ制度は、建築主の自主的な環境配慮を促進し、地域全体の環境性能向上に貢献することを目的としています。
特に容積率緩和は、より収益性の高い建物設計を可能にし、長期的な経済的メリットがあります。
各自治体の制度は定期的に見直されることがあるため、最新情報を確認しましょう。
特に容積率緩和は、より収益性の高い建物設計を可能にし、長期的な経済的メリットがあります。
各自治体の制度は定期的に見直されることがあるため、最新情報を確認しましょう。
― 東京都では建築物環境計画書制度がCASBEE基準に準拠
― 東京都では建築物環境計画書
制度がCASBEE基準に準拠
東京都では、2002年6月より「建築物環境計画書制度」を導入しており、延床面積2,000平方メートル以上の建築物を新築・増改築する際に、環境性能に関する計画書の提出を義務付けています。
CASBEE自治体版とは異なり、東京都独自の評価基準となりますが、評価手法の一部にCASBEEを活用可能とする連携が図られています。
建築物環境計画書制度は、東京都の「環境保全条例」に基づいて導入され、地球温暖化対策や都市環境改善に向けた具体的な行動を促進することを目的としています。
建築主が自ら導入した環境配慮型の設計内容を東京都建築物環境配慮指針に基づいて段階的に評価し、その結果が東京都のホームページで公表されます。
環境に配慮した持続性の高い建築物が評価される市場の形成と新たな環境技術の開発を促進することを目指しています。
評価対象となる主な項目は、以下の4分野です。
CASBEE自治体版とは異なり、東京都独自の評価基準となりますが、評価手法の一部にCASBEEを活用可能とする連携が図られています。
建築物環境計画書制度は、東京都の「環境保全条例」に基づいて導入され、地球温暖化対策や都市環境改善に向けた具体的な行動を促進することを目的としています。
建築主が自ら導入した環境配慮型の設計内容を東京都建築物環境配慮指針に基づいて段階的に評価し、その結果が東京都のホームページで公表されます。
環境に配慮した持続性の高い建築物が評価される市場の形成と新たな環境技術の開発を促進することを目指しています。
評価対象となる主な項目は、以下の4分野です。
- エネルギー使用の合理化
- 資源の適正利用
- 自然環境の保全
- ヒートアイランド現象の緩和
特に東京都では、地球温暖化の原因のひとつであるCO2排出量の7割が建築物に起因しているとされているため、建築物の環境性能向上は重要な課題となっています。
届出後は東京都が内容を確認し、評価結果が公表されるとともに建築主に「環境性能評価書」が交付されます。工事完了後にも工事完了の届出を行い、東京都による確認後に完了時の環境性能評価書が交付される仕組みとなっています。
届出後は東京都が内容を確認し、評価結果が公表されるとともに建築主に「環境性能評価書」が交付されます。工事完了後にも工事完了の届出を行い、東京都による確認後に完了時の環境性能評価書が交付される仕組みとなっています。
CASBEE自治体版を申請する流れ
CASBEE自治体版を申請する流れ
CASBEE自治体版を申請する流れ
CASBEE自治体版を
申請する流れ
申請する流れ
CASBEE自治体版の申請は、以下の流れで進めていきます。
- 自治体の条例を確認し、申請対象となる建築物かどうかを確認する
- 提出に必要な書類の種類や様式を把握する
- IBEC(一般財団法人建築環境・省エネルギー機構)に登録されたCASBEE評価員に依頼して評価を実施する
- CASBEE評価ツールを用いて環境性能評価を行う
- 評価結果報告書と必要な関連書類(建築計画概要書、委任状など)を準備する
- 届出の期限までに自治体の担当部署へ申請書類を提出する
- 自治体による書類審査を受ける
- 審査結果の通知を受け取る
- 必要に応じて修正や追加書類の提出を行う
- 最終的な承認を得て建築確認申請や着工へ進む
書類の不備や期限の遅れがあると建築確認申請が受理されず、着工に影響がでる可能性があるため、十分な準備と計画を心がけましょう。
― CASBEE自治体版の申請に必要な書類一覧
― CASBEE自治体版の
申請に必要な書類一覧
CASBEE自治体版の申請に必要な書類は、自治体によって細かく定められていますが、一般的に求められる書類としては以下のようなものが挙げられます。
上記は一般的な例であり、実際の必要書類は自治体によって大きく異なります。
必ず、建設予定地の自治体のウェブサイトや担当部署で最新の情報を確認し、不足のないように準備を進めてください。
必ず、建設予定地の自治体のウェブサイトや担当部署で最新の情報を確認し、不足のないように準備を進めてください。
― 届出は期限内に行う
― 届出は期限内に行う
CASBEE自治体版の届出には、提出期限が定められています。自治体ごとに定められている提出期限は以下のとおりです。
| 自治体 | 届出期限〈原則〉 |
|---|---|
| 名古屋市 | 工事着工 21 日前まで |
| 愛知県 | 工事着工 21 日前まで |
| 横浜市 | 建築確認申請(計画通知)予定日の 21 日前まで |
| 川崎市 | 建築確認申請予定日の 21 日前まで |
| 神奈川県 | 建築確認申請 21 日前まで |
| 大阪市 | 工事着手 21 日前まで |
| 大阪府 | 工事着工 21 日前まで |
| 堺市 | 工事着工 21 日前まで |
| 京都市 | 工事着工 21 日前まで |
| 京都府 | 工事着工 21 日前まで |
| 神戸市 | 特定集合住宅:建築確認申請 21 日前/その他:工事着工 21 日前 |
| 兵庫県 | 工事着工 21 日前まで |
| 静岡県 | 工事着工 21 日前まで |
| 新潟市 | 建築確認申請予定日の 10 日前まで |
| 札幌市 | 工事着工 21 日前まで |
| 埼玉県 | 工事着工 21 日前まで |
| さいたま市 | 工事着工 21 日前まで |
| 千葉市 | 工事着工 21 日前まで |
| 柏市 | 工事着工 21 日前まで |
| 広島市 | 工事着工 21 日前まで |
| 鳥取県 | 工事着工 21 日前まで |
| 福岡市 | 工事着工 21 日前まで |
| 北九州市 | 工事着工 21 日前まで |
| 熊本県 | 工事着工 21 日前まで |
CASBEE自治体版の届出遅延は、建築確認申請の不受理や工事着工の延期などにつながりかねません。そのため、建築計画の初期段階から正確な届出期限を把握し、余裕をもったスケジュールを組むことが重要です。
不明点がある場合は早めに自治体担当部署へ相談し、スムーズな申請手続きを実現しましょう。
不明点がある場合は早めに自治体担当部署へ相談し、スムーズな申請手続きを実現しましょう。
CASBEE自治体版と省エネ適判の連動
CASBEE自治体版と
省エネ適判の連動
CASBEE自治体版と省エネ適判の連動
CASBEE自治体版と
省エネ適判の連動
省エネ適判の連動
2025年4月に施行された建築物省エネ法の改正により、ほぼすべての建築物において省エネ適合性判定(以下、省エネ適判)が必要になりました。
そのため、一定規模以上の建築物を新築する際には、原則として省エネ適判を受け、適合していることの証明がなければ建築確認済証が交付されず、着工することができません。
同時に、CASBEE自治体版の届出を義務化している自治体の多くは、工事着工の21日前までに完了する必要があるため、建築確認申請の手続きと並行して手続きを進める必要があります。
例えば、建築確認申請の準備段階でCASBEE評価のためのデータ収集や計算を開始し、建築確認申請と同時期に評価を完了させる計画が求められます。
一方、省エネ適判では断熱性能や設備の効率性などの技術的審査が行われますが、CASBEE自治体版ではそれに加えて、緑化や景観配慮なども含めた総合的な環境性能が評価されます。
どちらか一方でも不備や不適合があれば、建築確認申請が受理されず、工事着工に遅れが生じる可能性があります。省エネ適判とCASBEE自治体版の両方の手続きを適切にスケジュール管理し、同時並行で進めることが求められます。
そのため、一定規模以上の建築物を新築する際には、原則として省エネ適判を受け、適合していることの証明がなければ建築確認済証が交付されず、着工することができません。
同時に、CASBEE自治体版の届出を義務化している自治体の多くは、工事着工の21日前までに完了する必要があるため、建築確認申請の手続きと並行して手続きを進める必要があります。
例えば、建築確認申請の準備段階でCASBEE評価のためのデータ収集や計算を開始し、建築確認申請と同時期に評価を完了させる計画が求められます。
一方、省エネ適判では断熱性能や設備の効率性などの技術的審査が行われますが、CASBEE自治体版ではそれに加えて、緑化や景観配慮なども含めた総合的な環境性能が評価されます。
どちらか一方でも不備や不適合があれば、建築確認申請が受理されず、工事着工に遅れが生じる可能性があります。省エネ適判とCASBEE自治体版の両方の手続きを適切にスケジュール管理し、同時並行で進めることが求められます。
― 2つの基準に適合する省エネ計算が求められる
― 2つの基準に適合する
省エネ計算が求められる
CASBEE自治体版と省エネ適判は異なる制度ですが、どちらも建築物の省エネルギー性能を重要な評価項目としています。
よって、建築プロジェクトでは一つの省エネルギー計算で両方の基準を同時に満たす必要があります。
具体的には、省エネ適判では主に建物の断熱性能や設備の効率性に関する技術的基準への適合が求められ、CASBEE自治体版ではそれに加えて、再生可能エネルギーの活用や建物のライフサイクル全体を通じた省エネ対策も評価されます。
効率的に設計を進めるためには、建築計画の初期段階から両制度の要件を整理し、一つの省エネルギー計画で両方の基準をクリアできるよう配慮することが重要です。
よって、建築プロジェクトでは一つの省エネルギー計算で両方の基準を同時に満たす必要があります。
具体的には、省エネ適判では主に建物の断熱性能や設備の効率性に関する技術的基準への適合が求められ、CASBEE自治体版ではそれに加えて、再生可能エネルギーの活用や建物のライフサイクル全体を通じた省エネ対策も評価されます。
効率的に設計を進めるためには、建築計画の初期段階から両制度の要件を整理し、一つの省エネルギー計画で両方の基準をクリアできるよう配慮することが重要です。
CASBEE自治体版にかかる費用
CASBEE自治体版にかかる費用
CASBEE自治体版にかかる費用
CASBEE自治体版に
かかる費用
かかる費用
CASBEE自治体版の申請手続き自体には、自治体に支払う直接的な費用(申請手数料)はかからない場合が多いです。しかし、申請に必要な評価や書類作成を外部に依頼する場合、別途費用が発生します。
CASBEE自治体版の評価や申請書類の作成には専門的な知識が必要となるため、外注するケースが多く見られます。
しかし、手数料は建築物の規模や複雑さ、依頼する業者によって大きく異なるため、事前に確認が必要です。
CASBEE自治体版の評価や申請書類の作成には専門的な知識が必要となるため、外注するケースが多く見られます。
しかし、手数料は建築物の規模や複雑さ、依頼する業者によって大きく異なるため、事前に確認が必要です。
建築業界20年以上のノウハウでCASBEE申請から
省エネ計算まで一括サポート
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CASBEE申請から
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建築業界20年以上の
ノウハウでCASBEE申請
から省エネ計算まで
一括サポート
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建築物省エネ法の改正により、多くの建築プロジェクトでは、着工までにCASBEE自治体版と省エネ適判の両方の申請を同時に進める必要があります。
しかし、申請を進めるには、詳細な図面作成や複雑な省エネ計算、専門的な環境性能評価など、多くの専門知識と膨大な時間が必要です。そのため、通常業務に加えてこれらの作業を並行して進めるのは大きな負担となります。
当社では省エネルギー計算においても豊富な実績と深い知識を有しており、CASBEE評価と省エネ計算を一括で対応することで、整合性のとれた効率的な申請サポートが可能です。
目指すCASBEEランクの達成と省エネ基準への適合を同時に実現することが可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせいただき、お客様の状況やご要望をお聞かせください。
しかし、申請を進めるには、詳細な図面作成や複雑な省エネ計算、専門的な環境性能評価など、多くの専門知識と膨大な時間が必要です。そのため、通常業務に加えてこれらの作業を並行して進めるのは大きな負担となります。
当社では省エネルギー計算においても豊富な実績と深い知識を有しており、CASBEE評価と省エネ計算を一括で対応することで、整合性のとれた効率的な申請サポートが可能です。
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